3.28K-1ワールドグランプリ横浜大会が開催された。自分としては過去数年の横浜大会に比べるとちょっとスッキリしない内容だったように感じる。判定が多かったし、スピードやパワーに満ちた内容ではなかった。今のK-1WGPはバダ・ハリがいないとちょっと軸がしっかりしないかなという印象だ。
■ レミー辛勝に少し残念
現王者レミー・ボンヤスキーが最強の外敵アリスター・オーフレイムを辛くも下したが、いつものスピード感あふれる戦いでアリスターを撃破してほしかった。怪我をしていたということで、確かに動きにキレがなかったわけだが。アリスターは昨年末バダ・ハリをKOして一躍名をあげたが、あの時のバダ・ハリはWGP決勝でのダウンのダメージがあったし、ファイトマネー没収やヘビー級タイトルの剥奪などショックもあった。まともな状態ではなかった。現に、アリスター戦でのバダ・ハリはまったくいつものキレがなかった。そういった経緯があったので、今回レミーには本来のK-1のすごさをアリスターに与えてほしかった。しかしレミーもヒザを故障していたとのことで本来の姿を見せることが出来ず苦戦してしまった。3Rにダウンを奪えて本当に良かったが。アリスターの次戦が誰になるか、次戦があるかどうかもまだわからないが、次は最高のコンディションのファイターとの試合をぜひ見たい。
■ バンナ、そろそろ潮時か
ジェロム・レ・バンナが極真世界王者エヴェルトン・テイシェイラに判定負け。この対戦は、9年前に当時極真世界王者であったフランシスコ・フィリオがバンナに撃沈されたそのリベンジという構図があったわけだが、テイシェイラが判定ながらリベンジを果たした。しかし、9年前にテイシェイラがバンナに勝てたかといえばかなり疑問。バンナは2年前に同じく横浜で澤屋敷に破れている。これは澤屋敷がすごかったわけではなく、バンナがもう残念ながら全盛期を過ぎていたことを表したものであったと思う。ここ数年のバンナには以前のような迫力や絶大なパワーがない。普通のキックボクサーという感じだ。マイク・ベルナルドやアーネスト・ホーストが引退し、レイ・セフォーももう勝てない。バンナにも同じ波が押し寄せているのか。大好きな選手だけに、もう一花咲かせて彼の雄姿を見たい。
■ さすがアーツ、世代交代許さず
最初のリングアナウンスのときにテレビに表示されるファイターのデータを見て、!!と思った。アーツの体重が103キロだったのだ。確か最近は108キロやそのあたりだったように思う。年齢のせいもあり、全体的に太ったイメージがあったアーツだったが、今回は全盛期のアーツを思わせるようなスリムた体系だった。名伯楽のトム・ハーリックとのコンビを復活させたことが今回のアーツの変身ぶりにつながった。セフォーやバンナ、武蔵などベテラン勢が勝てなくなっている最近のK-1の中で、アーツだけ気をはいている。総合格闘技のUFCで活躍するランディ・クートゥアは現在45歳で現役、最近までヘビー級のチャンピオンだった。アーツもきっとまだまだトップファイターとして戦っていけると思う。それが真の王者だ。
■ グラウベ復活、澤屋敷は5連敗
グラウベが1年ぶりに勝利。すばらしいファイトで澤屋敷をKOで退けた。昨年、ヘビー級タイトルマッチでバダ・ハリにKO負け、WGP開幕では新鋭ジマーマンにKO負けと、グラウベにとっては辛い一年となった。今回のグラウベのファイトは、バダ・ハリのスピードを彷彿とさせる力強いもので、澤屋敷は5連敗となったが相手が悪かったと思う。グラウベは気が優しいのだと思うが精神的に弱いところがあり、ラッシュをかけられたりするとあっけなくやられてしまうところがある。それさえ克服すれば、WGPチャンピオンになることが可能だと思う。今回の試合はそれほど強さを感じるものであった。今回、テイシェイラも勝ったことで極真選手が揃って勝利。極真勢としてはいいスタートを切った。
■ ヘビー級王者決定戦、日本人王者誕生は嬉しいが・・・
バダ・ハリの王者剥奪によるヘビー級王者空位を争うトーナメントが行われた。結果はリザーブから繰り上がった前田慶次郎がまさかの第2代王者となったが、なんだかスッキリしない。あのメルヴィン・マヌーフをKOで破り、最近めきめき頭角を表してきた実力者グーカン・サキを下しての王者タイトル奪取であるから文句はないのだが、前田がまだまだ知名度が低いだけになんだか簡単にチャンピオンになってしまったという感がぬぐえない。以前のチャンピオンがバダ・ハリだし、同じ階級にはグラウベ・フェイトーザ、今回欠場となったルスラン・カラエフもいる。そのあたりに勝ってはじめて本当のヘビー級王者と言えると思う。しかし、前田は本当にいい選手。ポスト武蔵というより、それ以上の選手ではないか。とりあえずあの髪型をなんとかしてほしいが^^;
とにもかくにもK-1WGP2009がスタートした。今年のスケジュールがまだ発表されていないようだが。今年のK-1戦線はどうなるのか。白熱した戦いを数多く見たい。
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