【K-1FAN】K-1WGP2009 ベスト8ファイターを分析シリーズ、本日は、長期戦となったときの勝敗を大きく左右する『スタミナ』編です。
K-1はKOが醍醐味の競技ですが、実力が拮抗するハイレベルな対戦となるとKOも出にくくなります。
となると、判定、延長、延長、と試合が長引くことも多々あり、長期戦も視野に入れておかなければなりません。
僕は常にKOを期待していますので、空手の試合によくあるような打ち合い蹴り合いの消耗戦はあまり好まないのですが、それはファイターも同じでしょうね。できればKOで早く終わらせたい。
しかしそう簡単にはいかない。ここを乗り越えることが出来ないと次ぎに行けないという苦しさがあります。それを克服するのがスタミナです。
スタミナに注目することはあまりないかと思いますが、昨年度2度目の世界王者に輝いた魔裟斗は、ひたすらスタミナをつけるトレーニングを慣行しました。
結果、世界トーナメントでは、佐藤戦、キシェンコ戦と2度ダウンを喫しましたが、その後信じられないほどの猛攻を見せ相手を圧倒し、2度目の栄冠となりました。
これもひとえにスタミナを意識したトレーニングを積んだからだと言えるでしょう。
今回のWGPベスト8ファイターのスタミナはどうでしょうか。見てみましょう。
過去の戦績から、エヴェルトン・テイシェイラを最高ランクの5にしました。
テイシェイラは、K-1戦績8戦7勝のうち、延長2Rを制して勝った試合が3試合あります。長期戦になると強いという結果が出ていますね。
テイシェイラ戦績
○シング“心”ジャディブ
延長2R判定3-0 K-1 WORLD GP 2009 IN SEOUL -FINAL16- 2009.9.26
○ジェロム・レ・バンナ
延長2R判定2-1 K-1 WORLD GP 2009 IN YOKOHAMA 2009.3.28
×エロール・ジマーマン
3R判定2-0 K-1 WORLD GP 2008 FINAL 2008.12.6
○武蔵
3R判定3-0 K-1 WORLD GP 2008 IN SEOUL -FINAL16- 2008.9.27
○前田慶次郎
3R判定3-0 K-1 WGP 2008 IN FUKUOKA 2008.6.29
○中迫強
3R判定3-0 K-1 WGP 2008 IN FUKUOKA 2008.6.29
○高萩ツトム
1R2分18秒、KO K-1 WGP 2008 IN FUKUOKA2008.6.29
○藤本祐介
延長2R2分01秒、KO K-1 WGP 2008 IN YOKOHAMA 2008.4.13
バダ・ハリのような圧倒的な力はありませんが、仮にバダ・ハリと延長戦にもつれ込んだ場合、やはりテイシェイラに勝機ありと見るべきでしょう。
ちなみに、バダ・ハリが延長戦にもつれこんだのは、K-1戦績19戦でたった一度だけ。2008.9.27に行われたK-1 WORLD GP 2008 IN SEOUL -FINAL16-でのチェ・ホンマン戦のみです。結果はバダ・ハリの1R0分00秒、TKO勝ち。
テイシェイラとバダ・ハリは準決勝で当たる可能性があります。長期戦が得意なテイシェイラ、戦績のほとんどが短期決戦のKO勝ちで長期戦の経験が薄いバダ・ハリ、この両者の初対決もおもしろいものがあります。
下位ランクの3となったのはレミーとカラエフ。レミーの場合は、大型ファイターとの対戦で3Rまでもつれこむと疲れてしまう印象があります。結果的にダウンを取って逆転勝利というケースが何度かあったところはさすが王者ですが、スタミナはあまりないイメージがありますね。
カラエフは、バダ・ハリと特長が似ていて短期勝負のファイターなので、勝っても負けてもKOの結果が多いですが、バダ・ハリに比べると、長期戦では疲労が目立つ感があります。カラエフは体格的に他のファイターよりも劣りますからまともに打ち合うとスタミナ面で不利。短期決戦でKOを決めて準決勝、決勝へと進んで欲しいものです。
決勝に進むには1日3試合をこなさなければならない過酷な1DAYトーナメント。KOによる短期決戦が何よりファイターにとって良いですが、ハイレベルに実力が拮抗しているWGPファイナル、そう簡単にKOは取れません。そこでスタミナ。スタミナによる勝敗の分かれ目にぜひ注目してみてください。
明日は、『リーチ編』です。フィジカル的な面、戦術的な面、リーチの長さや使い方は試合運びを大きく変えます。明日はリーチに注目して話を進めましょう。
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