2009年11月12日木曜日

【K-1FAN】K-1WGP2009 ベスト8ファイターを分析~セーム・シュルト編~


シリーズでお送りしている【K-1FAN】K-1WGP2009 ベスト8ファイターを分析、本日はセーム・シュルト編です。

セーム・シュルトと言えば、今やK-1の顔。3TIMESチャンピオン、そして現K-1スーパーヘビー級チャンピオンとしてトップに君臨し続けています。

昨年度は、開幕戦でピーター・アーツに破れ、4連覇の夢潰えましたが、今年は新鋭で前評判の高かったダニエル・ギタに若干押されるシーンを見せるも結果的には完勝。復活の兆しを見せました。


セーム・シュルトの戦績を振り返りましょう。


○ダニエル・ギタ
 2009.9.26  3R判定3-0FieLDS K-1 WORLD GP 2009 IN SEOUL -FINAL16-
○ヘスディ・カラケス
 2009.3.28 3R判定3-0K-1 WORLD GP 2009 IN YOKOHAMA
×ピーター・アーツ
 2008.9.27  3R判定2-0K-1 WORLD GP 2008 IN SEOUL -FINAL16-
○ジェロム・レ・バンナ
 2008.6.29 3R判定2-0K-1 WGP 2008 IN FUKUOKA ※スーパーヘビー級タイトルマッチ
○マーク・ハント
 2008.4.13 1R3分06秒、KOK-1 WGP 2008 IN YOKOHAMA
○ピーター・アーツ
 2007.12.8 1R1分49秒、TKOK-1 WGP 2007 -FINAL-
○ジェロム・レ・バンナ
 2007.12.8  2R1分02秒、TKOK-1 WGP 2007 -FINAL-
○グラウベ・フェイトーザ
 2007.12.8 3R判定3-0K-1 WGP 2007 -FINAL-
○ポール・スロウィンスキー
 2007.9.29 1R2分26秒、KOK-1 WGP 2007 IN SEOUL -FINAL16-
○マイティ・モー
 2007.6.23  3R判定3-0K-1 WGP 2007 IN AMSTERDAM 
※スーパーヘビー級タイトルマッチ
○レイ・セフォー
 2007.3.4 2R0分26秒、KOK-1 WGP 2007 IN YOKOHAMA
※スーパーヘビー級タイトルマッチ
○ピーター・グラハム
 2006.12.31 5R判定3-0K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!
○ピーター・アーツ
 2006.12.2 3R判定3-0K-1 WGP 2006 IN TOKYO 決勝戦
○アーネスト・ホースト
 2006.12.2  3R判定3-0K-1 WGP 2006 IN TOKYO 決勝戦
○ジェロム・レ・バンナ
 2006.12.2  3R判定3-0K-1 WGP 2006 IN TOKYO 決勝戦
○ビヨン・ブレギー
 2006.9.30 1R2分21秒、KOK-1 WGP 2006 IN OSAKA 開幕戦
×チェ・ホンマン
 2006.6.3  3R判定2-1K-1 WGP 2006 IN SEOUL
○ロイド・ヴァン・ダム
 2006.5.13  3R判定3-0K-1 WGP 2006 IN AMSTERDAM
○武蔵
 2006.4.29 3R判定3-0K-1 WGP 2006 IN LAS VEGAS
×ピーター・アーツ
 2006.3.5 3R判定2-0K-1 WGP 2006 IN AUCKLAND
○アーネスト・ホースト
 2005.12.31  2R0分41秒、TKOK-1 PREMIUM 2005 Dynamite!!
○グラウベ・フェイトーザ
 2005.11.19 1R0分48秒、KOK-1 WGP 2005 決勝戦
○レミー・ボンヤスキー
 2005.11.19 1R2分08秒、KOK-1 WGP 2005 決勝戦
○レイ・セフォー
 2005.11.19 3R判定3-0K-1 WGP 2005 決勝戦
○グラウベ・フェイトーザ
 2005.9.23  3R判定3-0K-1 WGP 2005 開幕戦
○ナオホール“アイアン・レッグ”
 2005.5.27 2R2分32秒、KOK-1 WGP 2005 IN PARIS
○フレディ・ケマイヨ
 2005.5.27  3R1分19秒、TKOK-1 WGP 2005 IN PARIS
○ピーター・ボンドラチェック
 2005.5.27 2R2分42秒、TKOK-1 WGP 2005 IN PARIS
○モンターニャ・シウバ
 2005.3.19 1R1分22秒、KOK-1 WGP 2005 IN SEOUL
○レミー・ボンヤスキー
 2003.7.13 5R判定3-0K-1 WGP 2003 IN 福岡
○マイケル・マクドナルド
 2002.10.5 3R判定3-0K-1 WGP 2002 開幕戦
△アーネスト・ホースト
 2002.8.28 5R判定ドローDynamite!!
○武蔵
 2002.4.21 5R判定2-1K-1 BURNING 2002


33戦29勝3敗1分14(T)KO 勝率88% KO率48%


この成績だけを見ると、やはりセーム。・シュルトはすばらしいとなるのですが、2009年5月18日にK-1とは別のイベント”It’s Showtime”でバダ・ハリと対戦しKO負けを喫したことは多くの方がご存知でしょう。その印象を含めると、セーム・シュルトも磐石ではないというイメージになりますよね。

今年のK-1WGP開幕戦inソウルで、冒頭にも紹介したダニエル・ギタから勝利しましたが、前半少し押されるシーンも見受けられました。ギタのパンチもいくつかシュルトの顔に届いていました。ギタの身長は195cm、シュルトをKOしたバダ・ハリの身長は197cm、長身の選手で、ストレートやオーバーハンドを打ち込めるファイターであれば、シュルトの顔面にパンチをヒットさせることが出来るということです。他にも、ピーター・アーツはシュルトから2度勝利を収めていますが、ピーター・アーツも長身でストレートを打ち込めるファイターですね。

逆に、ジェロム・レ・バンナやレミー・ボンヤスキーはシュルトを苦手としています(バンナ3連敗中、レミー2連敗中)。バンナやレミーは長身ですがショートフックの多いファイターなので、今までの対戦でシュルトを追い詰めることができなかったのではと思います。

また、シュルトの得意技のひとつに前蹴りがありますね。長身から繰り出す長い足の前蹴りには多くのファイターが手こずっています。シュルトの前蹴りを攻略しないとシュルトには勝てませんね。また、接近戦では打点の高いひざ蹴りがあります。2005年のK-1WGP決勝でグラウベ・フェイトーザをKOしたあのヒザ蹴りですね。離れてよし、接近してよし、体が大きくパワーもある。冷静で頭もいい。シュルトは本当に強いのです。


そんな最強シュルトの攻略法としては、


フィジカル的な条件として

① 長身であること
② リーチが長いこと
③ スピードがあること


技・戦略的な条件として

④ ストレートを打ち込める(ストレートが伸びる)
⑤ 前蹴り出させないよう積極的に攻め続ける
⑥ 接近戦は打ち合わずに1発勝負で中に入る


があげられると思います。


例えば、ルスラン・カラエフはシュルトと今まで対戦がありませんが、一番シュルトに勝てないファイターだと思います。カラエフは長身ですがK-1ファイターの中では背が高いほうではありません。スピードはありますが、前蹴りをかわせないと体が小さいので体力的に不利です。打ち合うタイプなので、接近戦となるとヒザ蹴りや打ち下ろしのショートフックを食らう可能性が高いです。もちろん、カラエフのバックハンドがヒットするということもあるでしょうが(僕はそれが見たいですが^^)、可能性としては低いですよね。

テイシェイラもシュルトには苦戦するのではないしょうか。伸びるパンチがありませんし、ハイキックは届きません。グラウベのブラジリアンキックが一度ヒットしてシュルトをぐらつかせたことがあるので、テイシェイラにも見せて欲しいところですけどね。続いて、さきほどあげたバンナとレミーも条件が不利な方になります。アリスターも苦しいでしょうね。前蹴りやローキックをこまめに受けてしまうと最後までもたないのではと想像します。しかしパワーで押し込めば可能性はあると思います。シュルトは勢いよく前にこられると打ち合わず後ろに下がりますので。

では、以上の条件を満たしているファイターは誰か。やはり結果も出しているバダ・ハリになりますね。あと、ジマーマンもシュルトと今まで対戦がありませんが、いい勝負をすると思います。条件を満たしているところが多いです。ただジマーマンは長期戦に弱いイメージがありますので、試合が長くなると厳しいですね。



とにかく強いシュルトですから、シュルトを倒す話が中心になってしまいましたね^^ そんなシュルトのグラフはこちらです。



総合的に非常に数値が高くなりました。また改めて全ファイターのグラフを比較する予定にしていますが、シュルトのグラフ数値の総計は他のファイターよりかなり高いです。やはりシュルトは強いです。

そんな総合力の高いシュルトですから、まともに戦っては勝ち目がありません。バンナの3連敗がそれを物語っていると思います。シュルトの良い特長はたくさんありますが、数少ない良くない特長をあげるとするなら、『打たれると後ろに下がる』ところです。多少の打ち込みならカウンターでショートフックを打ってきますから、中途半端なパンチはダメですね。伸びるストレートでシュルトを下げさせることが必要です。伸びるストレートでシュルトをとことんまで後ろに下げてフィニッシュブローを打ち込む。バダ・ハリが実践したあの姿がまさにたったひとつのシュルト攻略法ではないでしょうか。それを地で出来るバダ・ハリはやはり天才ですね。

今トーナメントの組み合わせはシュルトにとっては有利です。得意のバンナと準々決勝、準決勝ではレミーが勝ち上がってきたら2度勝っている相手になります。準決勝でジマーマンと初対決というのがおもしろいと思いますけどね。結構白熱した試合になると思います。とにかく、シュルトが決勝にあがる可能性は高いですね。シュルト自身も、決勝でバダ・ハリとあたって汚名を返上したいのではないでしょうか。決勝でセーム・シュルトvsバダ・ハリ、ファンとしてはK-1の舞台でこの戦いの決着を見届けたいですよね。

それでは、このあたりでセーム・シュルト編を終了致します。明日は、僕も大ファンのジェロム・レ・バンナ編をお送りいたします。

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